22年ゴールに中期ビジョン計画 山代温泉観光協会が総会/石川
石川県の山代温泉観光協会(萬谷正幸会長=瑠璃光)はこのほど、葉渡莉で通常総会を開き、「ブランド」「タウン」「プロモーション」の3つを柱とする「新・中期ビジョン計画」を発表した。中期ビジョンは、北陸新幹線が敦賀まで開業する2022年をゴールに設定。22年までに山代温泉の新たな魅力づくり、加賀市のさらなるブランド力強化を図る考えだ。
「ブランド」ではおもてなしや山代のブランド力発信、名所・名物づくりに取り組む。「タウン」では、廃業したKKR跡地活用と整備、中心商店街活性化を行う。「プロモーション」では誘客戦略とインフラ整備を促進し、新幹線開業に向けた受け入れ態勢の戦略の構築を進める。
総会では15年事業・決算報告、16年度事業計画・収支予算案が審議され、いずれの議案も原案通り承認された。
今年度事業は北陸広域観光推進協議会や北陸観光協会、石川県(石川県観光連盟)、加賀地域連携推進協議会(オール加賀会議)、加賀白山海外誘客推進協議会などの各種団体との連携を深める一方、「北陸路のハブ温泉」観光地としての確立を目指す。
また魅力ある観光ゾーンの形成促進を通して山代温泉の魅力・個性の深化を進め、商品づくりに対する新しい発想を導入し、人的交流の創出を行うための観光振興、新しい旅のスタイルを提案する。テーマは「健康」「教養」「交流」「環境」とし、温泉地での過ごし方や温泉文化・芸能、町中でのおもてなし、加賀の食などの整備と振興を図る。
誘客については3大都市圏を中心に積極的な誘客事業を進め、今年度は宿泊客85万人の達成を目指す。関東圏だけでなく関西圏、中京圏からの誘客とインバウンド客、地元北陸3県の底上げを促し、グループや団体客、法人団体を対象にした取り組みを強化する。
萬谷会長は「昨年は北陸新幹線金沢開業で、久しぶりに北陸全体が賑わった。旅行業界全体を押し上げる要因となり、国内旅行が活性化する一翼を担った1年だった」と総括。首都圏から北陸への観光客が前年の3倍となったことや山代温泉も前年より15%増え、80万人の宿泊客を受け入れたことを伝えた。
今年度については「昨年度の勢いはなくなったが、年間で85万人を達成したい」と述べ、冬場の関東からの宿泊客、インバウンド客の取り組みに注力するとした。
山代温泉旅館協同組合の新滝英樹理事長は「22年の新幹線敦賀延伸までの6年間は非常に大事。北陸新幹線開業2年目の今年は、お客様を定着させ勢いをつける1年にしたい」と話した。