「人に優しい宿」に期待 全旅連シルバースター部会が総会
全旅連シルバースター部会(799軒、多田計介部会長=石川県和倉温泉・ゆけむりの宿美湾荘)はこのほど、東京・平河町の砂防会館で2016年度総会を開いた。来賓として出席した北原茂樹・全旅連会長(京都市・旅館こうろ)は「超高齢社会にあって、人に優しい宿が注目されることは間違いない。旅館にとって食の安全も大きなテーマで、この分野での部会の取り組みにも感謝しています。我々は民泊問題に直面していますが、反対の理由は旅行者の安全が脅かされているからです。国民にどのように理解していただくかに腐心しています。旅館ホテルは旅行者の安全についての責任を全うするため、食の安全、防犯・防災などにコストをかけてきました。その最前線にいるのがシルバースターの宿です」と活動に期待を示した。
一方で、登録会員は減少が続く。多田部会長は「5年前に部会長を引き継いだとき、約900軒あった会員が800軒を切ってしまったことに申し訳ない気持ちです。私の宿、美湾荘はシルバースターの宿になる以前は段差だらけでした。それが、今は段差にはスロープが付いています。メンバーになったことで意識が変わり、それが宿に反映されています。安心・安全についてのメンバーの意識はものすごく高い。この会はもっと仲間が増えてもいいはずです。難局を突破し明るい旅館業界を見出していきたい」と話し、各都道府県委員に対し、8月の登録審査会に1人1軒以上の会員勧誘を要請した。
部会では毎年、シルバースター制度を一般に周知しようと、ハローキティのオリジナルグッズが当たるキャンペーンや、「人に優しい宿」ガイドブックの発行などを続けている。また、集客事業として、楽天トラベルやるるぶトラベルのウェブサイトに会員施設が対象の特別検索コーナーの開設している。
調査研究事業にも熱心で、15年度は糖尿病や糖尿病予備軍に配慮し、カロリーや糖質を抑えた食事を研究し、冊子「健康志向のメニューづくり~時代のニーズに応える健康ビジネスに向けて~」を作成した。
16年度も同様の事業に取り組むほか、新たな「人に優しい宿」ガイドブックを発行する。