3.3%減の85万7千人 はとバス、15年度の東京観光利用者
はとバス(東京都大田区)は7月7日、2015年度(15年7月―16年6月)の東京観光の利用者実績を発表した。利用人数は対前年度比3.3%減の85万6948人だった。上半期(7―12月)は同5.1%増で推移したが、1月の軽井沢スキーバス事故以降、バス観光の需要は低迷し、下期(1―6月)は13.8%減、人数にして6万人近く落ち込み、通年では前年を割り込んだ。熊本地震による九州からの集客が大幅に減少したことに加え、都内宿泊施設の高稼働に伴う客室不足と宿泊費の高騰で、東京に旅行に行きにくい状況が続いていることも要因としてあげている。
一方で、外国人向けコース(英語・中国語)は同8.5%増の9万691人と好調だった。外客利用が9万人を超えるのは1986年以来29年ぶり。言語別では英語6万8960人(7.8%増)、中国語2万1731人(9.8%増)といずれも順調に増加した。
そのほかのコース別では、東京観光・昼コースは64万7049人(3.2%減)、同夜コースは10万3026人(14.6%減)、団体貸切増発分は1万6182人(15.3%増)だった。
16年度について同社では「15年度は、バス業界を取り巻く環境、外的要因により邦人コースが低調でした。安全確保に関する一層の体制強化に努め、豊洲新市場の開場や迎賓館一般公開、国立西洋美術館など、新しい観光資源を取り入れた魅力的な企画を行い、需要の掘り起こしを図りたい」としている。