箱根ロープウェイ、1年3カ月ぶりに全線運行再開 夏の観光シーズンに期待/神奈川
神奈川県箱根町の「箱根ロープウェイ」が7月26日13時、全線で運行を再開した。箱根山の火山活動の影響による大涌谷周辺への立ち入り規制のため運転を休止していた大涌谷駅―早雲山駅間約1.5キロの運行が"復活"。2015年5月以来、1年3カ月ぶりの再開で、本格的な夏の観光シーズンを迎えた地元では誘客への期待が高まっている。加えて、大涌谷自然研究路とハイキングコースの一部は閉鎖が続くものの、大涌谷園地も同日開放。箱根ロープウェイと大涌谷園地の観光再開、火山活動で生まれた火口も上空から眺められるようになったほか、温泉供給量の回復が近づくなどなど、昨年の火山活動で大きな影響を受けた箱根観光が復活の時を迎えた。
山口昇士・箱根町長は、1年3カ月の間への支援に感謝するとともに「『人的被害ゼロ』を目標に掲げ、防災対応を講じてきました。今回のロープウェイ開通、大涌谷園地の一部開放は、箱根が再始動する絶好の機会と考えています。オール箱根として官民一体となって来訪されるお客様に安心して最大限『箱根』を楽しんでいただきたいと思っております」とコメント。同町では火山活動が活発化して以降、防災マニュアルの整備や避難訓練の実施、大涌谷周辺で常時ガス濃度を想定する機器を設置するなど地域一体で防災対策を進めてきたことで、今回の運行再開にこぎつけた。
また、同町では火山防災を学ぶ中で、火山を有する観光地としての存在感も認識。観光と防災の両面から火山に対する知見を高め情報発信を強化していくとも表明している。