ボーナスアップも節約志向で微減 JTB夏休み旅行動向見通し
JTBがまとめた夏休み(7月15日―8月31日)の旅行動向の見通しによると、1泊以上の旅行に出掛ける人は前年比0.7%減の7745万人となる見込み。今年に入ってから続く節約志向が反映されそうだが、1969年の調査開始以降で過去2番目となった前年からの微減にとどまり、観光業界にとってはまずまずの夏となりそうだ。(トラベルニュースat7月10日号に表)今年の家計をとりまく環境は、日本、世界経済の乱高下と、日本企業の好調さと夏期賞与の増加という正負両面があり、不透明感が漂う状況。その中で旅行・レジャーへの意欲は旺盛なものの、今年に入って消費支出を抑えたいという消費者意識があり、微減見込みとなった。
今夏のトピックは国民の祝日「山の日」の最初の年。夏休み期間中でインパクトは低いものの、お盆休暇とあわせて長期休暇にする動きが製造業などでみられ、旅行を促すいい機会になりそう。またリオ五輪が旅行に与える影響は少ないとの結果がJTBのアンケートから出ている。
国内旅行は同1.0%減の7485万人。旅行目的は「帰省」が昨年を上回り、「テーマパーク・レジャー施設」「おいしいものを食べる」は減少した。方面別では、新幹線開業効果の北海道・東北や、京都鉄道博物館開業やUSJ15周年の近畿が好調。熊本地震の影響が残る九州も帰省やボランティアへの参加から前年を上回る見込みだ。そのほかでは観光列車や新幹線など鉄旅の人気が続いている。出発ピークは8月12―15日。
海外旅行は同7.4%増の260万人。近年の低迷から今年に入って若者やシニア層の旅行意欲が高まり、底を打った印象だ。台湾やタイは堅調、中国と韓国が復調傾向とアジアが人気。不振を極めたヨーロッパも前年を上回りそう。
調査は1200人のアンケート結果とJTBグループの販売予約状況などから推計した。