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人のふれあいと気遣い

人のふれあいと気遣い
団体客はいらない、個人客だけでいい。旅行会社もいらない、すべて直客だけで館内を一杯にし、数字を上げろ―。金融関係が旅館経営に乗り出すと、概ね前記のような指示が現場で働く営業マンに飛ぶ。その営業マン曰く。「20室程度の旅館ならいざしらず、40室、50室もある旅館が個人客だけで埋まるわけがない。そう思って少しでも団体客をとる努力をするのだが、入込みの段階で団体客は個人客のクレームの対象になる、と現地の現場管理者から叱られる」。 確かに団体客から個人客へのシフトは避けられないが、個人客を重視しすぎ団体客をここまで否定するのはどうか。こういった旅館に限って個人客をとって数字を上げろというわりには、インターネット予約で安売りするのだから本末転倒もいいところだ。コンサルタントに言われるままの体制になっているところも、似た状況であると聞く。 先日、旅好きの女性ばかりを集めて「どんなときに旅館に泊まりたいか」という質問に「人とのふれあい、気遣いがほしいとき」という返答が多かった。否定的な押しつけばかりで萎縮した気持ちで働く社員がいる宿で、個人客の居心地がいいはずがない。新年を迎え、我々の業界は「人とのふれあい、気遣い」の文化で成り立つことをあらためて思った。 (トラベルニュースat 13年1月1日号)
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