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【書評】『一刀の無限 木田安彦木版画集成』木田安彦著

【書評】『一刀の無限 木田安彦木版画集成』木田安彦著
 数年前偶々(たまたま)、木田安彦という異才に話を伺う機会を得たとき、棟方志功以上に尋常ならざる、生き様を感じ、本にしたいと思った。テーマ別に並べたりする作品集なら、他に何万とある。やるなら、作家本人の人生観や芸術観、そして歩んできた道程が、作品とともに立体的に浮かび上がるような、“自伝的”なものにしたいと、私の考えを伝えたところ、「『西国三十三所』でもって木版画家を卒業し、これからは日本画家として生きていこうと思う」。聞けば、今までに6千点以上の作品を制作され、片側の目は失明寸前、「ちょうど、自分の歩みを資料とともに整理していたところです」。奇遇である。
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