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【話の肖像画】作家・島田雅彦(52)(1)作品を磨き上げていく「職人魂」

【話の肖像画】作家・島田雅彦(52)(1)作品を磨き上げていく「職人魂」
 作家の一番よい季節が10年とは昔言われたことです。今よりも寿命が短く、夭逝(ようせい)していた作家が多かったころの話。確かに(夏目)漱石は実質9年しか書いていません。そういう意味では延命のためにのらりくらりやってきたとも言えるわけですが(笑)。しかし夭逝の系譜である日本近現代文学の中にも、谷崎潤一郎みたいに「老人文学」を書いている人がいます。こういう人は、時代ごとに切ると全く違う顔が出てくる。「青の時代」や「キュービスム」の時代がピカソにあるがごとく、谷崎の場合、初期の江戸耽美(たんび)的な世界、モダンボーイの時代、関西の女権的ファミリーをつぶさに描く時代、さらには老人の性を赤裸々に…と、時代ごとに断面が違う。長く書いてきた人間としては、そういう作家が一番模倣の対象になりますね。こうありたいなと。
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