【書評】『島田雅彦芥川賞落選作全集 上・下』島田雅彦著
芥川賞最多落選記録(6回)保持者にして、現在は同賞選考委員。そんな著者が若き日の“落選の軌跡”を伝えるユニークな本を編んだ。東京外国語大学在学中に発表した鮮烈なデビュー作「優しいサヨクのための嬉遊曲」「亡命旅行者は叫び呟く」、そして「僕は模造人間」…。持て余し気味な強烈な自意識を、軽さとユーモアを交えてつづった作品群の魅力は今も色あせない。
日本の旅行をもっと面白くする