コミュニティデザイン

まちづくりや観光に関する書籍を発表し続ける学芸出版社。近年、史上トップクラスに売れた本が登場した。その名は「」。聞き慣れない言葉だが、要は「人がつながる仕組みをつくる」ということ。人と地域を元気にしようという観光まちづくりには最も求められる概念なのかもしれない。 著者の山崎亮さんは京都造形芸術大学教授で、地域の課題を地域住民で解決するための「」の伝道師。住民参加によるワークショップやまちづくりの総合計画を手がけ、小さなまちに元気の種をもたらしてきた。兵庫県家島や島根県海士町、岡山県笠岡諸島でのの実例は、ドキュメント的で参考書としても読み物としても得るものが多いだろう。 都市計画は地域を知ってこそ意味があり、実行できる。山崎さんは語る。「僕たちの仕事は地域に住む人の話を聞きだすことからはじまる」。まちづくりの課題解決へのヒントをくれる一冊だ。